
VibeCodingについて詳しく知る
この記事で触れるVibeCodingの詳細な概念や4つの原則については、こちらで詳しく解説しています:
VibeCodingとは?挫折しないプログラミング学習の新しいスタイル【2025年完全版】
プロローグ:真っ暗な部屋で響いた「もう無理」という言葉
2022年12月、冬。北海道札幌市の夜は、しんしんと雪が降り積もり、街の音を全て吸い込んでいました。
時刻は、午前2時。
6畳の書斎で、僕はひとり、泣いていました。
隣の部屋では、愛する妻が眠っている。その寝返りの音さえ、僕の胸には罪悪感というナイフになって突き刺さる。「ごめんな…」声にならない声が、喉の奥で震えました。
PCの画面には、赤いエラーメッセージが冷たく光っています。
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たったこれだけの言葉が、僕の4年間の努力、希望、そして未来への夢を、無慈悲に叩き潰していく。
「患者さんの健康は守れるのに、なぜコード一行、僕には守れないんだ…」
安定した薬剤師という仕事。守るべき家庭。それなのに、僕は一体何を追いかけているんだろう。
「もう、無理だ」
その言葉が口からこぼれ落ちた瞬間、僕の心は完全に折れてしまいました。プログラミングで「場所に縛られない働き方」を手に入れるという夢が、粉々に砕け散った夜でした。
もしあなたが今、かつての僕と同じように、真っ暗な部屋でたった一人、出口のないトンネルにいるような絶望を感じているなら。
大丈夫。その物語には、まだ続きがあります。
これは、ごく普通の薬剤師がプログラミングに完全挫折し、新しい学習法VibeCoding という一筋の光によって人生を劇的に取り戻すまでの、泥臭くて、格好悪くて、でも嘘のない、全記録です。
第1章:薬剤師が抱いた「場所に縛られない働き方」への憧れ(2021年)
全ての始まりは、2021年。世界中をコロナ禍が覆い尽くし、僕たちの働き方が根底から見直され始めた頃でした。
薬剤師という仕事には、誇りを持っています。患者さんから「ありがとう」と言われるたび、心からこの仕事を選んでよかったと思う。でも同時に、薬局という「場所」に縛られ、決められた時間の中でしか価値を提供できない自分に、もどかしさも感じていました。
「いつか、妻と一緒に海外でのんびり暮らしてみたい」
そんな夢物語が、リモートワークという新しい働き方の波によって、急に現実味を帯びてきたのです。
「プログラミングなら、場所に縛られずに仕事ができるかもしれない」
その日から、僕の挑戦は始まりました。妻に恐る恐る打ち明けると、彼女は「あなたならきっとできるよ。応援する」と、いつもの優しい笑顔で背中を押してくれました。
僕は早速、本屋で買った入門書を頼りに、学習計画を立てました。HTML、CSS、そしてJavaScript。まずはこの3つをマスターしよう。希望に胸を膨らませ、僕は未来への第一歩を踏み出したのです。
第2章:現実の壁 - 激務とプログラミング学習の両立地獄(2022年)
しかし、現実は甘くありませんでした。
日中は薬剤師として、一瞬の気の緩みも許されない仕事。薬歴管理、調剤、患者さんへの服薬指導。全ての業務が終わる頃には、体も心もヘトヘトです。
「今日は疲れたから、明日から頑張ろう」
そんな言い訳が、日に日に増えていきました。月の学習時間は、目標の半分以下の20時間にも満たない。焦りだけが募る中、最大の壁として立ちはだかったのが、JavaScriptでした。
忘れもしません、2022年8月の夜。残業で疲れ切った体に鞭を打ち、PCに向かっていました。作っていたのは、簡単なToDoリスト。しかし、「リストを追加する」というボタンを押しても、何も起こらない。コンソールには、あの忌まわしいエラーメッセージ。
TypeError: Cannot read properties of undefined
3時間格闘しても、原因が全く分からない。ネットで調べても、書いてある日本語の意味が理解できない。SNSを開けば、同世代の学習者が自作アプリを公開し、キラキラと輝いて見える。この頃は、学習の継続・モチベーションを保つのが本当に大変でした。
「どうして自分だけ、こんなにできないんだ…」
疲労と焦りが、苛立ちに変わっていく。妻への申し訳なさと、自分の不甲斐なさ。希望に満ちていたはずのプログラミング学習は、いつしか僕を追い詰める地獄へと変わっていました。
第3章:完全挫折 - 妻の前で見せた涙の告白(2022年末)
そして、冒頭の夜を迎えます。
2022年の年末。妻と二人、一年を振り返りながらささやかな夕食をとっていた時、彼女がふと尋ねました。
「そういえば、プログラミングの勉強、最近どう?」
その一言が、僕の心のダムを壊しました。
「ごめん…もう、諦めようと思う」
涙が、ポロポロと溢れて止まらない。30歳を過ぎた大人の男が、妻の前で声を上げて泣きました。自分の才能のなさ、努力の足りなさ、全てが情けなかった。
「もう無理なんだ。僕には向いてなかったんだよ」
妻は何も言わず、ただ静かに僕の背中をさすってくれました。そして、僕が少し落ち着いたのを見計らって、こう言ったのです。
「そっか。…頑張ったね。本当にお疲れ様。あなたが決めたことなら、私はそれが一番だと思うよ」
責めるでもなく、励ますでもない、ただ寄り添ってくれるその優しさが、逆に僕の心を締め付けました。でも同時に、諦めることへの安堵感があったのも事実です。
「ああ、これで楽になれる」
僕はPCのブックマークから学習サイトを全て消し、分厚い技術書を本棚の奥深くにしまいました。薬剤師として、真面目に生きていこう。そう心に誓って。
第4章:再起への道 - 妻の一言が与えてくれた希望(2023年)
プログラミングから離れた生活は、穏やかでした。しかし、心のどこかには、諦めた夢の残骸がチクチクと刺さったまま。
そんな僕に転機が訪れたのは、2023年の夏でした。
いつものように二人で近所を散歩している時、妻がポツリと言ったのです。
「ねぇ、あなたのペースでいいんだよ。誰かと比べる必要なんて、ないんだから」
ハッとしました。僕はいつの間にか、SNSの誰かと自分を比べ、勝手に焦り、勝手に絶望していたのです。薬剤師の仕事だってそうだ。一人ひとりの患者さんと向き合うことが大切で、他の薬剤師と比べるものではないはず。
その頃から、世間ではAI技術の進歩が盛んに報じられるようになりました。ChatGPTという言葉を、ニュースで頻繁に目にするようになったのです。
「AIが、人間の仕事を奪うかもしれない」
そんな不安を煽る声も聞こえる中、僕の心には別の感情が芽生えていました。
「もしかしたら、AIは敵じゃなくて、僕みたいな挫折者の味方になってくれるんじゃないか?」
もう一度だけ、挑戦してみたい。でも、以前と同じやり方では、また同じ壁にぶつかるだけだ。どうすれば…。
第5章:運命の出会い - VibeCodingという光(2025年初頭)
答えが見つからないまま時間だけが過ぎ、年が明けた2025年1月。その出会いは、本当に突然でした。
いつものように情報収集をしていた僕の耳に、イケハヤさんのVoicyが飛び込んできたのです。
「AI時代の新しい働き方、VibeCodingとは?」
吸い寄せられるように、Voicyを聞き、noteの記事を読み進めました。そこには、僕が抱えていた悩みが全て書かれていました。孤独な学習、意味不明なエラー、挫折の痛み…。そして、その全てを解決する新しい学習法として「VibeCoding」が紹介されていたのです。
衝撃でした。頭をガツンと殴られたような感覚。これだ。僕が求めていたのは、これだったんだ。
震える手でChatGPTを開き、記事に書かれていた通りに、AIに話しかけてみました。(具体的な使い方はVibeCoding実践ガイドでも解説しています)
「こんにちは。僕はプログラミングに挫折した薬剤師です。あなたと、何かを作ってみたい」
この瞬間、僕の止まっていた時間が、再び力強く動き始めました。
第6章:劇的変化 - 初めてAIとコードを書いた感動の瞬間
2025年1月15日、夜8時。
あの真っ暗だった書斎が、今は希望の光に満ちた司令室に変わっていました。僕はClaudeに、こう依頼しました。
僕:
あなたは最高のWebデザイナーです。僕の地元の患者さんたちが、薬の情報を簡単に見られるような、「調剤薬局のデモサイト」を作りたい。HTMLとCSSで、温かみのあるデザインのサイトを作ってくれませんか?
AI:
承知いたしました。薬剤師であるあなたの素晴らしいアイデアですね。患者さんが安心できるような、温かく、分かりやすいデザインのデモサイトを作成します。こちらがコードです。
次の瞬間、画面にコードが生成されていく。僕はそれをコピーし、demo-siteという名前で保存し、ブラウザで開きました。
表示されたのは、完璧なウェブサイトでした。
たった、5分。
あの頃、3時間かけても一行も進まなかった僕が、たった5分で、人の役に立つかもしれないWebサイトを作り上げてしまった。
「見て!できたよ!」
気づけば僕は、妻を興奮して呼んでいました。書斎にやってきた妻は、画面を見て目を丸くしています。
「すごいじゃない!やっぱりあなたならできると思ってた」
その言葉が、どれだけ嬉しかったか。手が震えるほどの感動と、「自分にもできるんだ」という確かな自信が、体の奥底から湧き上がってきました。これは、AI学習の革命です。
この日を境に、僕のプログラミング学習は劇的に変わりました。AIという最高の相棒を得て、僕は薬剤師としての知識を活かしたVibeCodingの実践に没頭していったのです。
(具体的な実践方法は、こちらのVibeCoding実践ガイドで詳しく解説しています)
第7章:現在地と未来への展望 - 薬剤師×VibeCoder としての道
今、僕は薬剤師として働きながら、毎日AIと対話し、コードを書く生活を送っています。かつてのような焦りや苦痛は、もうありません。そこにあるのは、何かを創り出す純粋な喜びと、成長を実感できる確かな手応えです。
VibeCodingという考え方は、本業との理想的な両立に悩む僕にとって、まさに完璧な処方箋でした。
- 隙間時間で学習可能: 通勤中の電車でアイデアを練り、AIと対話。
- エラーからの即時回復: エラーが出ても、AIに聞けば数分で解決。
- 薬剤師スキルの活用: 患者さんへの説明スキルが、AIへの的確な指示(プロンプト)に直結。
海外移住という夢も、今はもう遠い夢物語ではありません。具体的な計画として、再び妻と語り合えるようになりました。今後は、薬剤師の専門知識を活かした「患者さんのための服薬リマインダーアプリ開発」にも挑戦したいと考えています。
そして、このブログを始めました。
かつての僕のように、プログラミングに挫折し、夢を諦めかけている医療従事者や、薬剤師、副業や転職を考えている仲間へ。
僕のこの体験談が、あなたの復活のきっかけになれたら。これほど嬉しいことはありません。僕のプロフィール(プロフィールはこちら)にも、その想いを綴っています。
あなたも今すぐ始められます
私が復活できた具体的な実践方法を、3ステップで詳しく解説しています:
VibeCoding実践ガイド|Claudeプログラミングの始め方【初心者向け3ステップ】
VibeCoding体験談:よくある質問
Q. 本当にプログラミング未経験でも大丈夫ですか?
A. はい、大丈夫です。この記事の僕が何よりの証拠です。VibeCodingは、従来の学習法とは全く違います。大切なのは経験や才能ではなく、「AIと一緒に何かを作ってみたい」という気持ちだけです。
Q. 学習時間は1日どれくらい必要ですか?
A. 僕は平日3時間、休日5時間の時間確保を目標としています。最初の頃は1日30分も確保できませんでしたが、今では目標達成できる日も多くなってきました。しかし、VibeCodingなら、細切れの時間でも驚くほど進捗が生まれます。「学習しなきゃ」と意気込むより、「AIと少し話そう」くらいの気軽さで始められるのが最大のメリットです。
Q. VibeCodingで挫折することはありますか?
A. ゼロではありません。しかし、挫折の「質」が全く違います。従来の方法では「孤独な絶望」でしたが、VibeCodingでは「相棒(AI)との作戦会議」に変わります。解決策がすぐに見つかるので、心が折れる前に次のステップへ進めます。
従来型学習とVibeCodingを項目別に整理した【こちらの記事:VibeCoding vs 従来学習法】を照らし合わせると、体験談の背景がより立体的に見えてきます
エピローグ:同じ悩みを抱くあなたへ - 挫折は終わりじゃない
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
もしあなたが今、分厚い技術書の前で途方に暮れているなら。
もしあなたが、赤いエラーメッセージに心を折られそうになっているなら。
もしあなたが、「自分には才能がない」と、夢に蓋をしてしまっているなら。
思い出してください。
その挫折は、あなたの物語の終わりじゃありません。最高の相棒と出会うための、プロローグに過ぎないのです。
あなたにはもう、24時間365日、文句も言わずに付き合ってくれる最高の相棒がいます。必要なのは、ほんの少しの勇気だけ。
さあ、今すぐPCを開いて、AIに話しかけてみてください。
「こんにちは。僕は、プログラミングで叶えたい夢があるんだ」
あなたのVibeCodingは、今、この瞬間から始まります。
一緒に、最高のセッションを始めましょう。